彡(゚)(゚)「今日は…やきうが…」
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彡(^)(^)『終わったんやから無いわな。今年もええシーズン見せてもらったわ』
あの日ワイくんはまずそんなことから話し始めたんだっけ。 俺は浴室でずっと体を動かしている。
もう2時間くらいは経っただろうか。
体をつたう水分が出しっぱなしのシャワーの飛沫か汗か、
分からなくなってきていた。 ワイくんと入るために選んだかなり大きめの浴室だった。
何度も一緒に入り、他愛もない話をしたり、体を絡ませ合ったりした。 普段しないような体の使い方をしているからか、
手や足が悲鳴をあげるように疲れてきていた。
でもそんなことも、五感も、感情も、だんだんと麻痺してきているような気もした。
もう少しでこの作業は終わりだ。 彡(゚)(゚)『ムネはさ、この数年でたくさんすごい夢を叶えたやろ?今の一番の夢ってなんなん?』
少し前にワイくんからそんな質問をされた。
俺は迷わず、ワイくんとずっと一緒にいることだと答えた。 自分の体を洗い流し、俺は浴室から出た。
俺がやるべきことは全て、抜かりなく、分かりやすく、ワイくんの書いたノートに記されていた。
本当にマメな性格の人だった。
試合の前と後にはいつもその日の内容にあったLINEをくれた。 でもワイくんは、どんな気持ちでこのノートを一人で書いたのだろう。
その姿を想像すると胸の奥がジリジリと焼けるように痛んだ。
俺は必要なものを必要な数、必要な形になるよう用意して冷蔵庫を開けた。 彡(-)(-)『なあムネ、ものすごく大事な話があるんやが聞いてくれへんかな』
あの日そう話したワイくんの声は、最初少し震えていたように思う。
とっくに全部自分の中で決めていたくせに。
数日経って、俺は冷蔵庫からそれを取り出した。
この数日の間に他にやらなければならないことを全て済ませておいた。 ワイくんは最初ただの俺のファンだった。
インスタのDMをよくくれた。
男にしてはグイグイくる珍しいファンだと思っていた。
DMをくれたアカウントをなんとなく見返している時に、1枚写っていた写真の横顔に惹かれた。
都内だったので、俺から誘って何回か食事に行って、どちらからともなく告白をして恋人になった。
俺が前より広い部屋に引越し、ほとんど同棲のような状態になっていた。
優しくて、かっこよくて、可愛くて、温かくて、一緒にいる時間が本当に幸せだった。 彡(-)(-)『ワイはもう治らん病気でもうすぐ死んでしまうんや。ごめんな。それでな、一つだけ最後のお願いがあるんよ』
俺はキッチンに立っていた。
ワイくんは料理が上手だった。
俺は食べるばかりで料理はからっきしだったのでよくワイくんにからかわれていた。
今見ているノートのページの端に、ムネにもっと料理を教えたかったと書いてあった。
少し文字が滲んでいた。
俺ももっと教えて欲しかったよ。
ねえ、ワイくん、いきなり一人でいなくなるなんて。
「…アカンすよ」
呟いた声が、一人だけになった部屋に響いた。 彡(;)(;)「ワイな、病院もお葬式も嫌やねん。せやから自分で死のうと思っとる。
それでな、その後、ワイのこと、食べてくれへんかな。
そうすればムネとほんまにずっと一緒にいれるかなと思って。なあ、泣くんやないって」
シンプルに焼いて、味付けだけ3種類ほど変えたものが目の前に並んだ。
手際が悪かったせいか少し冷めているかもしれない。
ひとつを口に運ぶ。
うん、普通に美味しい。
牛、豚、鳥のちょうど中間のような味。
こんなざっくりとした感想を言うとワイくんに舌がバカだと笑われるだろうな。
箸を動かすたびに不思議な感覚になっていた。
食べれば食べるほどワイくんがいなくなっていく。俺のせいで。
でもワイくんは俺の体に入る。俺の体になる。 彡(^)(^)『ムネ、好きやで、大好きやで』
「ワイくん…」
ワイくんはもういない。
声も聞けないしLINEもくれないし肌に触れることもできない。
でもワイくんはここにいる。
どんなときでも一緒にいる。
どっちだろう?よくわからない。
それが悲しい。寂しい。
食事を進めながら、涙が零れていた。 でも少しでも希望のある方を信じたいから、
こんなことをすることにしたんだ。
ワイくんと俺だけの、最後の秘密だ。
それはきっと世界で一番価値のある真実。
もうワイくんと俺は一つになった。
俺がこれからホームランを打つ時も、守る時も、走る時も、お立ち台に立つ時も、
ワイくんとずっと一緒なんだ。
そう思って、俺は前向きにやっていけるだろうか。
ねえ、ワイくんは、どう思う? ~~~~~~~~~~♪
https://youtu.be/bVqQ6G6sw74
よく晴れた日曜日の朝に
僕は待ち合わせのあの場所で
笑い合う子供達を眺めながら 君が来るのをずっと待っていた
放物線描いていくボールが 僕の前で強く大きくはねてた
何一つ変わらない風景だ
後はここに君がいれば あぁ
淡々と流れるこの世界が
なんだか僕だけをここに置いてくようで
雲は僕を隠してはくれなくて
やけに太陽が痛い日曜日だった
~~~~~THE NEUTRAL『日曜日の太陽』
※全てフィクションであり、実在の人物には一切関係がありません。 フェニックスリーグにFA宣言
社会人野球の全日本まであるんだが ほんまはヤク日本一のタイミングでこれ貼りたかった😢 今回のは異質やな
でも成長を感じるわ おもろかったで こんな日のわりにもう一つやな
あんまりパクりくさいのはちょっと ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています