山口裁判長は判決で、知事の裁量権を逸脱・乱用した違法行為と認定し、監督上の義務に違反した過失も認められると判断した。

　判決は、県の2020年度当初の財源不足見込み額が276億円に上っていたのに、新たなセンチュリーの購入が必要かどうかや車種の検討が「あまりにも不十分だった」と指摘した。

　また、公用車にはかねて1千万円を超える高額なセンチュリーが使われており、村岡知事は管理する課と適宜、協議して指揮をする必要があったとした。

　県は公用車としてセンチュリー3台を保有していたが、2台を下取りに出し、20年に新車1台を2090万円で購入した。判決などによると、徳島県の公用車に次いで2番目に高額という。

　原告代理人によると、公用車の購入を巡り、自治体の違法性を認めた判決は異例。
松林さんは記者会見で「この判決を知事は肝に銘じ、人が豊かになるために税金が使われる県政にしてほしい」と強調した。
村岡知事は「正直驚いている。できるだけ速やかに判決内容を精査し、弁護士と相談して判断したい」と話した。