梨泰院の雑踏事故から1週間、ソウルで数万人が追悼・抗議集会  

過去10年間で最大規模の悲劇に国民の怒りが高まっている。こうした中、首都ソウルの各地で5日、追悼集会や抗議活動が行われ、数千人が集まった。

韓国警察トップが群衆の管理が「不適切」だったと認めて謝罪したほか、尹錫烈(ユン・ソンニョル)大統領も今後の雑踏警備を改善していくと誓っている。

それでも、正義を渇望する国民の怒りを和らげるのには不十分といえる。K-POPに代表される若々しいイメージで国際的に知られるこの国で、当局は皮肉にも若者を守ることができなかった。そのことを大勢が深く恥じている。

参加者は韓国で悲しみの花とされる白い菊を手に、「私たちは被害者を救えたはずだ。政府はその責任を認めるべきだ」と書かれたサインを掲げて訴えた。

「最初は悲しい気持ちだったが、いまは怒りを感じている。この事故は防げたはずなので。犠牲者は私と年齢が近い人たちだった」と、22歳の大学生カン・ヒジュさんは語った。

「この社会は正常ではなく、私たちは安全ではありません。政府は責任を果たさずに若者に押し付けている。(中略)一体セウォル号事故からどんな教訓を得たというのか」と、高校生を中心に300人以上が死亡した2014年のフェリー事故を引き合いに話す人もいた。

「(政治家は)いつも選挙のたびに改革を約束するが、なぜいつも社会的大惨事が起こるのか。若者たちが問いかけているのは、そこだ」と別の人物は述べた。