これぞ“岡田の魔法”だ。岡田彰布監督(64)が8日、打撃練習中に掛けた「スピンをかけろ」の言葉で、大山悠輔内野手(27)らの打球の質が変わった。伝えられたのはボールの下ではなく、上をたたいてラインドライブのスピンをかけるという感覚。それでいて飛距離が伸び、打球速度が上がるという結果に、一同言葉で説明できずに首をひねりながらも、好感触をつかむ不思議な現象が起こった。

 スタンドのファンから拍手が湧き起こる。視線の先には快音を響かせながら、次々と打球を柵越えさせる「背番号3」の姿が。実は直前のティー打撃中に、大山は岡田監督に“魔法”をかけられていたのだった。

 言葉としては「スピンをかけろ」。助言を受けた大山は「自分ではそういうやり方かなと…」と、最初はボールの下をたたいてティー打撃を“かち上げていた”。すかさず指揮官が「オマエ、下たたいてるやろ」と指摘。指示はボールの上をたたいて、ラインドライブのスピンをかけるというものだった。

 その後に向かったフリー打撃で試すうちに、「何となくですけど“こういうことか”」と徐々に体得。次々と柵越えが飛び出し、「打球の質というか、自分で打っていても違いましたし、投げてもらっている投手の方も『今日ちょっと違ったけど』と」と明らかな変化が表れたという。