中日・祖父江大輔投手(35)の〝叱咤〟に期待が高まっている。

 10日にナゴヤ球場で契約更改交渉に臨み、来季2年契約の2年目を推定年俸1億円の現状維持でサイン。投手陣では谷元に次いで年長となる祖父江は「これまではまず自分の成績を出さないといけないと思っていたが、言葉をかけたり、困っている選手がいたら、しっかり声をかけられる存在になりたい」と話した。

 理想の先輩像は「岩瀬さん、吉見さん、浅尾さん、山井さんも、みんなにすごくお世話になった。その先輩方をお手本にしてそうなれるようにしたい」と張り切っている。

 実は今季すでにエース左腕に対し、活を入れていた。開幕投手を任された大野雄は4月までに1勝3敗と黒星先行で、すでに2勝をマークしていた高卒2年目の高橋宏ら若手投手の活躍をうらやましがったり、褒めたりしていたときだ。すると、祖父江は「お前、そんな感じでうれしそうにしているけど、こんなところで負けとったらあかんやろ!」とピシャリ。

 これには大野雄も「若手の活躍を親みたいな目で見てしまっていた。感心している場合じゃない。もっと負けたらあかんという気持ちで、まだまだやっていかなあかんなと」と気持ちを奮い立たせると、5月6日の阪神戦では延長10回二死まで完全投球を続け、1安打完封勝利につなげた。

 これに大野雄は「いつもはふざけあって仲良い先輩後輩だけど、そういうことも真剣に言ってくれる人は大切」と感謝する。チーム関係者も「実績のある大野にまでズバズバと苦言を呈してくれる祖父江の存在は本当に貴重。来年もここぞというところで投手陣にカミナリを落としてほしい」と熱望している。

 祖父江は「大野の方が成績とか上ですけど、それを言える仲というのもある」とし、今後も「若手が出てきていい投球しているので自分も負けられないというのはあるが、教えられることもある。気づいたときにいろいろ言ったりしていきたい」。祖父江の〝愛のムチ〟が飛べば飛ぶほど来季の竜投手陣はさらにたくましさを増しそうだ。

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