公認野球規則の「2.01」には、本塁から後方のフェンスまで「60フィート(18.288メートル)以上を必要とする」と明記されている。新球場のそれは15メートル。「3メートル以上も足りない」と、メディアでも大きく取り上げられているから、ご存じの読者も多いだろう。

 日本ハムの確認ミスを責める声もあるが、メジャー30球団の球場でこの要件を満たしている球場はわずかに2つ。

 メジャーの公式規則にも「60フィート以上」との規定があるものの、「必要とする」ではなく、「望ましい」「推奨される」との表現になっている。エスコンの設計を米国の会社が請け負ったことで、解釈の違いが生じたのが原因のようだ。

 いずれにしろ、新球場の工事は95%超が完了しており、杓子定規に今からバックネットを3メートル下げろと求めるのではなく、規約を緩和する方が現実的ではないか。

 たった3メートルである。ファウルフライになるはずの打球がただのファウルになったり、ワイルドピッチやパスボールによる進塁や本塁生還の妨げになったり、それなりの影響が出たとしても、野球が大きく変わるわけではない。日本ハムも対戦相手も条件は一緒だ。

 メジャーの球場をモデルにした新球場は、設計段階からこれまで以上の臨場感を特長としてうたっている。新たな楽しみをファンに提供できるメリットの方がはるかに大きい。ファンのことを考えれば、モメるような話ではない。繰り返すが、たった3メートルである。ゴチャゴチャ言いなさんな、というのが正直な感想だ。