なあ、お前と飲むときはいつも白木屋だな。 一番最初、お前と飲んだときからそうだったよな。 俺が貧乏浪人生で、お前が月20万稼ぐフリーターだったとき、おごってもらったのが白木屋だったな。
「俺は、毎晩こういうところで飲み歩いてるぜ。金が余ってしょーがねーから」 お前はそういって笑ってたっけな。 俺が大学出て入社して初任給22万だった30万稼ぐんだって胸を張っていたよな。 「毎晩残業で休みもないけど、金がすごいんだ」 「バイトの後輩どもにこうして奢ってやって、言うこと聞かせるんだ」 「社長の息子も、バイトまとめている俺に頭上がらないんだぜ」 そういうことを目を輝かせて語っていたのも、白木屋だったな。
あれから十年たって今、こうして、たまにお前と飲むときもやっぱり白木屋だ。
久しぶりにお前の顔見たら、やっぱ俺の気持ち、自分で良くわかった。嘘じゃないって 。
毛深いガチムチのカラダ前よりずっと男前になったよな。
子供も出来て幸せそうに見えるけど、俺のことも忘れてないんだろ 。
俺が欲しかったらたっぷりくれてやるよ、いつでも。
俺だってお前のケツが恋しい。
前みたく俺に甘えてこいよ、素直になって。
「男同士でこんなこともう無理っす」 って泣きながら言ったよな。
ゴツイお前を胸に抱いてめいっぱいお前の頭撫でてやった最後の夜。
その後だったよ、最初聞いたときびっくりした。お前が親父になるって。
お前を忘れようとわけもなくいろんな奴とやったけど、やっぱお前が一番だった。
お前のケツ、お前のチンポ、お前の毛深カラダ、そして可愛い笑顔。
全部俺のものだ。今でも、いつまでも。
俺は待ってる いつまでも お前のいないこの部屋で。