1位は落合博満に「監督の差で負けた」と言わしめたあの試合での名言…阪神・岡田彰布監督の「どんでん語録」ベスト5


2022年のプロ野球を「言葉」で盛り上げてくれたのは、なんと言っても新庄剛BIGBOSS。ただ、来季のプロ野球にはもうひとり、野球ファンを楽しませてくれそうな独特のワードセンスを持つ監督がいる。阪神・岡田彰布新監督だ。その名言・迷言たちは岡田監督の愛称“どんでん”(現役時代に出演した「味の素」のCMに由来)にちなんで、「どん語」「どんコメ」「どんでん語録」とも呼ばれている。なかでも印象的な5つのフレーズをお届けする。



第5位:「休まへんのが4番。それだけよ」
→2004年の第一次政権時に、「4番で起用し続ける」と宣言した金本知憲に対しての言葉

就任会見で「期待してもらって結構です」という名台詞を生んで始まった第一次岡田阪神(2004~2008)。この時代を象徴する選手といえば4番を張り続けた金本知憲だ。前年までは3番が定位置だったが、岡田監督は「4番金本」にこだわりつづけた。

そんななか、球史に残る名場面が生まれたのは2004年7月30日。前日の試合で左手首に死球を受けて剥離骨折を負いながら、変わらず4番として先発出場を果たし、右手だけで2本もヒットを放ってみせた。

実は死球を受けた29日時点で、金本は連続フルイニング出場が698試合目。日本記録である700試合連続フルイニング出場が目前だっため、「記録のための出場ではないか」といった否定的な声もあがるなか、岡田監督の放った「どん語」がこの「休まへんのが4番。それだけよ」だ。

結果的に休まなかったことで、2日後の8月1日には連続フルイニング出場の日本新記録を樹立。連続フルイニング出場は2010年に途切れるまで「1492試合」まで続く不滅の大記録となった。

そんな「岡田の教え」を学んだのがこの年の阪神ルーキー、鳥谷敬。休まないことが当たり前、という美学を受け継ぎ、のちに鉄人・衣笠祥雄に次ぐ歴代2位の1939試合連続出場を果たすことになる。