>5「トレードな。>10が欲しがってるから」

伝えられた事実に、思いのほか驚きはない。淡々と諭すような指揮官の口調は、むしろすっと胸の奥に届いた。

>5「ずっと>15やったな。なんでそんなに>15なんや?去年の秋から言ってきたけど、お前>20な」

 異論はない。変われなかったのは自分。むしろ、一野球人として環境を変える決断をしてくれた>5の“>25”に感謝した。その場で多くの言葉を発することはせず、「>30」と一礼して監督室を出た。