日本代表はシュート14本を放つも最後まで1点が遠く、コスタリカ代表に0―1で敗れた。5バックの強固な守備に苦しみ、司令塔のMF鎌田大地(26)=フランクフルト=がミスを連発するなど攻撃陣が精彩を欠いた。MF三笘薫(25)=ブライトン=ら途中出場のアタッカー陣も結果を残せず。強豪ドイツから2得点を奪った攻撃陣が、過去4戦負けなしだったコスタリカを相手になぜ無得点に終わったのか。背景を岡島智哉記者が「読み解く」。

 無得点では、勝とうにも勝てない。勝ち点3の歓喜に沸くコスタリカを横目に、浅野は膝に手をついてうなだれた。鎌田はぼう然とし、伊東もやり切れない表情で立ち尽くした。精彩を欠いた鎌田は「チームとしてもイージーなミスが多かったし、僕はイージーなミスをしてはいけない選手だと思うので…」と落胆した。

 放ったシュートは14本。コスタリカ(4本)の3倍以上の数字だが、遠めから打たされるような場面も多く、5バックを崩し切るようなアイデア、連動は見せられなかった。枠内シュートは3本だけ。コスタリカの守備組織は確かに強固だったが、それをいかに崩すかというところで、チームとしての戦い方にしても、選手個々のパフォーマンスにしても、ゴールを破るレベルに達しなかった。

 1トップは上田と浅野が45分ずつ出場したが、ともに持ち味を出せず。上田が「相手もしっかり締めていたし、簡単にいかなかった」と振り返るなど、背後のスペースを使えず終始窮屈だった。力を出し切れなかった堂安は「ポジショニングをどこに取ればいいか、考えながら(試合が)終わってしまった印象」と振り返った。ウィングバックに配置された三笘が仕掛ける場面は、先制されるまで一度もなかった。速攻、中央からの崩し、サイド攻撃、セットプレー。全てにおいて、迫力がなかった。

 ドイツ撃破の勢いを自ら尻すぼみさせるような、前半のゲームプランは正解だったのか。調子の上がらない鎌田を90分引っ張るべきだったのか。切り札の三笘をウィングバックの位置に置くことが、果たして最良だったのか。スペイン戦に向け、無得点という事実への向き合いは必須だ。鎌田は「全てをスペイン戦にぶつけていく」と気持ちを新たにした。いかにして点を取るかというところを、誰を使うか、どのような形で使うかも含めて、もう一度整備する必要がある。

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