0001それでも動く名無し
2022/11/30(水) 00:21:30.96ID:VUdyi3HXpこのシミュレーションは、それぞれの分野では正確にこの世の物理を記述しながらも、なぜか相容れない「一般相対性理論」と「量子力学」との緊張を解決するヒントになる可能性があるそうだ。
マクロの世界を正確に予測する「一般相対性理論」と、ミクロの世界を正確に予測する「量子力学」はなぜだか仲が悪い。
一般相対性理論は、重力を連続した時空の湾曲として記述する。一方、量子力学では確率を用いて、離散的な粒子の振る舞いを記述する。
普遍的な量子重力の統一理論を作り出すためには、仲違いしたままの2つの理論をうまく調和させてやる必要がある。
そこで登場するのが、宇宙でもっとも奇妙かつ過激な天体「ブラックホール」だ。
ブラックホールは光すら逃げられない超重力を持つ天体だ。ところが、ここに量子力学的な効果を加えると奇妙なことが起こる。わずかだが光ると考えられるのだ。
ブラックホールが放つ巨大な重力のせいで、一定の距離内に近づいてしまえば、光ですらも脱出できなくなる。その境界のことを「事象の地平面」という。
光すら脱出できないのだから、ブラックホールは完全な闇だと思うかもしれない。ところが、車椅子の天才ホーキング博士によれば、そうではないのだという。
彼が1974年に提唱した仮説によると、事象の地平面が量子の揺らぎに干渉し、光の粒子が発生する。これによって熱的な放射が起きるのだ。これを「ホーキング放射」という。