東大大学院農学生命科学研究科の勝間進教授らの研究チームは、オスだけを狙って殺すタンパク質「Oscar(オス狩る)」を同定し、メカニズムを解明したと発表しました。

Oscarは、共生細菌のボルバキアが持つものです。ボルバキアは感染した宿主の生殖システムに対して、オスのみの死、オスのメス化など様々な操作をします。宿主の性を自己の増殖に都合の良いように変化させる「性決定システムの乗っ取り」を行う「侵略者」とも言えます。

①細胞質不和合:感染していないメスの繁殖を感染したオスが妨害する
②単為生殖:メスがオスなしで子孫を産めるようにする
③性転換:遺伝的にオスである宿主をメスに変える
④オス殺し:オスの卵のみ発生初期に殺し、メスだけが生まれるようにする