彡(゚)(゚)「今日は…やきうが…」
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ない。
数ヶ月ぶりに二人で飯を食べた。
そしてホテルに入った。
「ケンスケ、脱がすよ」
ナオが俺のシャツをゆっくりと脱がせていく。
久しぶりに下の名前で呼ばた気がする。
二人きりの時はそう呼び合っていた。
それは別れてからも変わらなかった。 「あのさ…」
自分で上の服を脱ぐナオに話しかける。
「この前言ってたあれって…」
「あれじゃ分かんないんだけど」
ナオが笑う。
「来年終わったら…ってやつ…」
「うん、どうしたの?」
「あれ、俺に気使ってるの?」 そう言われたナオはきょとんとしていた。
「え?…」
そしてすこし考えてやっと分かったような顔をする。
「あー、俺がずっといるからお前が出ていけないんじゃないかって思って…ってこと?」
「まあそんな感じ」
「はは、すごいこというな」
「ん、俺は結構真面目なんだけど」
俺は少しムッとする。
「じゃあケンスケは実際、そうなの?俺がいるから悩んでたの?」
「そういうわけじゃないけどさ…」 元彼の近くにいたいなんて動機で自分の大事な選択を決めかねるなんて。
馬鹿らしい。
ふざけてる。
ありえない。
…そうとも言い切れない自分もいた。
もちろん自分の理想や、今の生活だって守りたい。
それを基準に考えている部分も当然大きい。
でもふとした時に、ナオと付き合っていた日々の思い出に浸ってしまっている。
元通り、ただの仲のいい同期として接する日常。
ごくたまにこっそりと体を重ね合う時。
ナオを通して過去の幸せを眺めるような瞬間を、完全に捨てるのは怖かった。 ナオが急に来年以降の決断を言い出して、
俺は半分は嬉しく、半分はつらかった。
ずっとナオのことが胸に引っかかっている俺。
そんな俺のことを思ってくれた嬉しさ。
でも、そんな俺のせいで、
同じように悩ませていたのかもしれないというつらさ。
だからずっと直接聞かなきゃと思っていた。
自意識過剰だと思われていても。 「別に、俺が決めたことに、ケンスケは関係ないよ」
ナオが言う。
「関係無いっていったら冷たいかもしれないけど、気にしないでってことだから」
俺の頭を撫でながら。
「ケンスケはケンスケなりの正解を出せば良い」
「ナオ…」
「寂しくなっても、どっか、会える機会は作れるって」
「まあ、来年はそうだろうけど…」
「通話とか、ZOOMとかなら、どこでもいつでもだろ」
「うん…」
「あんましょんぼりするなよ、色々言われたり大変かもしれないけど、ケンスケの笑ってるとこ見たいよ」
俺の頬をさする。
「ちゅー、しよっか」 ナオの唇と俺の唇が触れる。
一度離れて、次はナオが少し顔を傾け、
ぐっと俺に押し付けてくる。
温かい舌が俺の口に入ってくる。
俺の舌先でナオの舌をくすぐる。
そうしているうちに互いの唾液が混ざり合うのを感じる。 考えてみれば、付き合っていた頃には
最初のキスをする前に服を脱ぐなんてことはなかった。
二人きりになれば何より先に、口の回りがびちゃびちゃになるほどのキスをしていた。
もっと強烈に求め合っていた…というか。
今更そんなことを思い返しても仕方がないのだが。
昔には戻れない。
でも未来に進みたくもない。
もう付き合っていた頃の思い出に浸ることはやめるから、
ずっと今晩、今この時間に留まらせてくれないだろうか。
できるだけ長い時間。
そうしたら、次のこともまた少し考えるから。
そう願いながら、そのままナオに押し倒されて、俺はベッドに沈んでいった。
END ~♪
https://www.youtube.com/watch?v=8jZ8Plz_SSM
はみ出してた淡い紺色がずっと
僕らの時間を解決させずに砂を払ったりした
考えとか捉え方も知らないや
朝に齧った憂いで記憶を眠らせたくて
どこかにゆくのか留まる勇気が
試されてるのか疑うことで信じたい
踊りはしないさ音も無くなれば
手放せた借りパクしてた夜弦の月も
気配だけで超えられるから
柵や秩序の甘えは
君がいて水になる
色のない輝きを追うばかり
気にしてしまう距離が
僕にだけでありますように
小さな船流れ出す
ただ力の抜けた光る方へ
~ずっと真夜中でいいのに。「君がいて水になる」 ※全てフィクションで実在の人物には一切関係ありません! ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています