警察の「殺人ロボット」導入を撤回、米サンフランシスコ市
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米サンフランシスコ市監理委員会(市議会に相当、定数11)は6日、警察が殺傷能力を持つロボットを使うことを認める決定を撤回した。

同委は11月29日に市警が爆発物を搭載したロボットを使用することを承認したが、公民権グループなどから激しい批判を受けていた。

委員会は12月6日、全会一致でこの承認を保留し、さらなる検討に移っていた。

この案は、サンフランシスコ市警(SFPD)に、極めて厳しい状況で、ロボットによる容疑者殺害を認めるもの。カリフォルニア州は今年、市警に軍用級装備の目録を作成し、それらを使用するときは許可を得ることを義務付けており、これを受けた提案だった。

殺傷能力を持つロボットの運用に反対する団体「Stop Killer Robots」(殺人ロボットを止めろ)のキャサリン・コノリー博士は、この動きについて、物事が悪い方向に進む危険性を秘めている「滑りやすい坂道」だと指摘。「人間が武器の使用やその結果の責任をどんどん取らなくなっていく」恐れがあるとしていた。

市役所の階段にはこの日、抗議者たちと反対意見を述べた数人の理事が集まり、市の決定を覆すよう訴えた。
その後2次投票が行われ、最初の結果が覆された。2次投票は通常、監理委員会の決定を裏付けるために行われる。
今後、提案は修正されるか、完全に破棄されることになる。

警察は、ロボットは非常に厳しい状況下でしか使われないだろうと説明。
SFPDの報道官は、「暴力的であったり、武装していたり、あるいは危険性のある対象者が潜む建物を突破するために、ロボットに爆発物を搭載する可能性がある」と述べた。

また、「生命を脅かす可能性のある、暴力的な容疑者や武装した容疑者、危険性のある容疑者を無力化あるいは混乱させる」ためにロボットが使われる可能性もあるとした。
この種のロボットはアメリカのほかの地域で既に使用されている。

2016年にはテキサス州ダラスの警察が、警官2人が殺害され数人が負傷した事件で、C-4爆薬を積んだロボットを使ってスナイパー1人を殺害した。