日本ハムから海外フリーエージェント(FA)権を行使した近藤健介外野手(29)が、7年総額49億円プラス出来高払いの超大型契約でソフトバンク入団を決断。楽天を除くパ・リーグ5球団による熾烈な争奪戦はマネーゲームに発展し、打撃主要3部門でタイトル経験のない巧打者が球界最高年俸に躍り出た。

ソフトバンクは12日、近藤の入団を発表。先月11日の交渉解禁から1カ月に及ぶ長期戦の背景には、近藤を高く売るために辣腕を振るった代理人の動きがあった。あるパ・リーグ球団の編成担当は「普通は交渉を1、2回で終わらせるが、何度も交渉してドンドン条件を釣り上げていった」と舞台裏を明かす。

 各球団との交渉が一巡した段階で、獲得に大きな手応えを得ていたのは西武だった。今季年俸2億5500万円の近藤に対し、長期契約を重視する本人の意向を事前につかみ、6年総額24億円というソフトバンクの4年総額20億円を上回る好条件を提示。だが、資金力に勝るソフトバンク、オリックスが巻き返した。