〈2009年〉笑っていいとも!で女優が「キチガイ」連呼

実は「キチガイ」は放送禁止用語ではない?

生放送の「笑っていいとも!」でゲストの女優が「キチガイ」と話したことに、番組アナウンサーが謝罪する事態があった。一般的に「放送禁止用語」とみられており、テレビ局でも不適切だと判断した。
コーナーが終わると、CMをはさんで、番組の加藤綾子アナが「不適切な発言がありました」として頭を下げた。

「キチガイ」は、新聞では、各社が独自に差別語や不快用語にしている。言い換えは、たいてい「精神障害者」だ。
民放連やNHKによると、テレビでも、共通の「放送禁止用語」になっているわけではない。各局で独自に基準などを決めており、フジでは、この場面で「キチガイ」が不適切だったわけだ。

とはいえ、ネット上では、「キチガイ」がいけないと初めて知ったとの声がいくつもみられる。日常的な誇張表現として使っている場合が多いからだろう。

民放連では、「テレビは、いろんな方が見ているという特性があります。チャンネルをひねれば流れてきてしまうので、表現に気をつけて安全・安心な情報だけを流すのは当然です」としている。

沖縄国際大の山口真也准教授は、テレビなどの過剰な自主規制に対し、疑問を呈する。
「うるさい団体がいるからダメというのであれば、変だと思います。
差別的な意図を持ってキチガイなどの言葉を使うのはダメだと思いますが、文学作品などを含めて、何かを伝えるのに必要なときもあります。人を傷つけないようにしながら言葉を使うべきです。
アナが本人から代弁するよう言われたのなら話は別ですが、基本的に本人が発言の責任を取ればいいと思います。間に入るメディアが、過剰反応してはいけませんね」
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