小林氏は「広島の野手は総じて、高校から入ってきた頃は華奢でも、技術の向上とともにみるみる体が大きくなる。体つきが他球団と一回り違います。その結果として、スイングも強くなる」と語る。「まずハムストリング(太もも裏)の肉付きがよくなり、次いで腕が太くなっていく印象。丸(現巨人)も、(鈴木)誠也も、會沢もみんなそうでしたし、坂倉にもその傾向が見られます」と見ている。

 長年、不思議だった“カープの謎”を解き明かそうと、小林氏は4年間務めたオリックス1軍投手コーチの退任が決まった2018年秋、宮崎・日南で行われていた広島の秋季キャンプを視察に出かけたという。「1日中、練習を観察してみましたが、僕が在籍したロッテ、巨人、オリックスと比べて、大きな違いは見つかりませんでした。ただ、マシン打撃で150キロを軽く超えるような速い球を、空振りしたり完全に振り遅れたりしながら、必死に取り組んでいる姿が印象的でした」

 他球団でもマシンを160キロに設定することはあるが、広島では日頃から“超速球”に目を慣らすことが、野手の成長を促しているのだろうか。「それだけではなく、ウエートトレーニングなのか、食事なのか、外から見えない部分にも何か要因があると思います」と小林氏は興味津々だ。

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