中でも、僕にとって忘れられない浜田さんの一言があります。本当は、テレビで絶対に言わないでおこうと思っていた話ですが、今回、こういう機会をいただいたので、お話させてください」
「浜田さんには、怖い、とか短気、みたいなイメージがありますが、僕が浜田さんに本気で怒られたのは、12年間で1回だけです。
浜田さんは、覚えておられないと思いますが、上京して間もない頃、3回目の食事に連れて行っていただいた時のことです」
「まだ、浜田さんにお会いして間もないということもあり、浜田さんが怖いとか、怒られると思っていたので、失礼がないように、細かくお皿を変えたり、灰皿を変えたりしていると、
『自分で出来るからええで。御飯食べ』といっていただき、それでも僕は緊張もしていたし、やっぱり怖かったので、お世話を続けていると、『ホンマにええって』と、軽く怒られました」
「それでも僕は何かをしなければいけないと思い、帰りの駐車場で、『浜田さんの車、僕、運転して帰ります』というと、すごい形相で浜田さんは僕の顔に近づき、『お前、東京、何しにきてん?』と言われ、
僕は質問の意味が分からず『え?』と返すと、さらにすごい形相で『だから、東京、何しにきてん?』と言われたので、『売れたいからきました』と言うと、
『そうやろ。運転手しにきたんちゃうやろ?横乗れ。家まで送ったるわ』と言って、家まで送ってくださいました」
「あの時、浜田さんに言っていただいた一言と、送っていただいた時間が、僕の宝物です。そして、『売れたいからきました』といった自分の一言を信じ、今でも頑張れています。 ライセンス・井本貴史」