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 むろん、陣営はただ指をくわえて自然回復を待っていたわけではなく、人為的に“2つの改良”を施していた。

「デビューから調教は往々にして朝一番でしたが、この中間はなるべく遅い時間に行うようにしています。ほら、今朝(14日)だって(午前7時と10時では気温が)8度も違うでしょ。汗の出る量はかなり違ってくるはず。それとプール調教も取り入れました。脚元に負担をかけることなく、いつも以上にトレーニング量を高めています」(水出助手)

 厩舎スタッフは競走生活の岐路に立たされたエフフォーリアと今、極限ともいえる密度の濃い時間を過ごしている。もちろん、それは指揮官も同様だ。

「中間は元気があり余っている感じで走っている。やっぱり、そうじゃないとレースでも走れないよな。夏場を全休したかいあって、今はウイークポイントの爪の不安がなく、だからしっかりと負荷をかけられる。結果が出せていない後でもファン投票2位に支持されたのは本当にありがたいこと。ぜひとも恥ずかしくない競馬をさせたい」(鹿戸調教師)

 さらに1週間がたち、いよいよ大一番まで数日に迫ってきた。果たしてエフフォーリアは“まだ”の状態から脱して、昨年V時のデキを取り戻しているのか。すなわち、大一番の劇的な変身=復権の連覇があるのか、ないのかは、21日の最終追い切りに「その答え」があると思っている。

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