ループしている宇宙の「前の宇宙の痕跡」を発見したとの研究結果

ブラックホールも永遠の存在ではないと考えられています。
ブラックホールの表面では、絶えずエネルギーが放出されるホーキング放射が発生しており、
この現象によりブラックホールは徐々に質量を失い最終的には消滅してしまうとのこと。

しかし、ブラックホールが消滅しても、その痕跡は強力な電磁波が観測される領域
「ホーキング・ポイント」として残り続けるとペンローズ氏は考えています。

しかも、ホーキング・ポイントは宇宙が終わりを迎え、ビッグバンにより新たな宇宙が始まった後も残り続けるとのこと。
このことを逆説的に考えると、以前の宇宙から残り続けているはずのホーキング・ポイントを、
ビッグバンの残響ともよばれている宇宙マイクロ波背景放射(CMB)の中から見つけ出すことができれば、
宇宙がループしているというペンローズ氏の理論の強力な根拠となります。

しかし、CMBは非常に微弱な上にノイズだらけで、しかもランダムに変化し続けるため、
特定の構造を見つけるのは至難の業です。
そこでペンローズ氏らは、ホーキング・ポイントが存在していると仮定したCMBをシミュレーションし、
実際のCMBデータと比較しました。その結果、
ホーキング・ポイントでなければ説明できないような特異な領域が20カ所も見つかりました。
https://gigazine.net/news/20190828-previous-universe-conformal-cyclic-cosmology/