ムザモルは黄金の装備を携え、ズシンズシンとこちらへ向かってくる。
王国警備軍の魔法攻撃も全く効かない。

「も、もうおしまいです…あいつを倒すことはできないです…」
タリアが絶望し、膝をつく。
…いや、一つ。作戦がある。
相手の防御力を無視する作戦だ。
「俺に任せろ。」

俺はムザモルに近づき、目の前に対峙する。
「ほう?わざわざ殺されにきたか。鉄壁の私にどうするのだ?」
「確かにあんたは硬い。爆弾でも効かないだろうよ。でも…」
ヒュッヒュッシュッシュッシュッシュッ!!!
俺はムザモルの顔付近で高速で手を動かす。

「な、なんだ?!何をするのだ!」
俺はムザモルを無視し、高速で手を動かし続ける。
…突然、ムザモルの周りの空気は飛んでいく。
「真空状態」…空気のなくなった生物は…窒息する。
「ぐ、ぐぁぁっ!!クッ…カッ…ガハッ…」
ムザモルは酸素を失い、倒れ込んだ。防御力は関係ない。生物に必中の攻撃が、決まった.