0001それでも動く名無し
2022/12/28(水) 07:48:52.61ID:4CFIy9ekdロッテベンチは-。右の代打を出してもおかしくない状況だ。井口監督と森脇ヘッドコーチが何やら話す。マーティンはその様子をチラッと見つつ、あとはずっと背中を向けたまま。福浦打撃コーチが最後にひと声かけ、マーティンは何やら返し、そのまま打席へ向かった。その間、2分40秒。
マーティンはまるでタイミングが合わず、最後はスライダーで空振り三振だった。前打席では悔しそうにベンチ裏に引っ込んだ助っ人は力なく、20秒かけてベンチの自席へ歩いていった。その5日後、帰国が発表された。
ロッテは井口監督が就任後、2億円規模をかけてチーム戦略部を新設した。蓄積したデータをもとに、試合前には全体、個別で相手先発投手を研究。時には「四球=安打」の概念も持ちながら、チームとしての攻め方を徹底してきた。
ベンチにもそのデータを持つスコアラーが毎試合、入っている。投手交代があれば、次打者に何やらアドバイスをする様子が、日常光景のように見られた。
前述の8月23日、マーティンの最終打席。助っ人は約1年、公文との対戦がなかった。変則左腕にスライダーを警戒するのは当然のことながら「一打逆転のチャンスでの左対左、久々の対決」となれば、データも好結果への一助になるのではないだろうか。
しかし、この2分40秒の間に、マーティンとスコアラーまたはコーチが交わる機会は、なかった。投球練習にタイミングを合わせた何度かの素振りのみで、あっけなく三振した。そのころからベンチ内での戦術決定→決定→指示にスムーズさを欠いている、という声が漏れ聞こえていた。直後に打席に立ったレアードはスコアラーからレクチャーを受けていた。ベンチの空気の乱れ。もちろん、長いシーズン、いろいろうまくいかない時期だってある。ただ、もう致命的な時期だった。優勝は遠い、Aクラスも苦しい-。一連の動きを凝視しながら、そう痛感した数分間だった。
https://news.yahoo.co.jp/articles/dc059c6987ddd5cf45f85633965572789e562f40