彡(゚)(゚)「今日は…やきうが…」
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彡(;)(;)「大晦日やしあるわけないんだよなぁ…TV何見よう」
彡(゚)(゚)「ガキ使も無いし、一茂とか見るわけないし、やっぱこれになるんかなぁ…」 ~~~
俺はヤノさんに電話をかけた。
プルルル…
ヤノ『おお、ムネ、おつかれ』
ムネ「お疲れ」
ヤノ『大丈夫なん?余裕あったん?』
ムネ「まあ、なんとか」
ヤノ『そうか』
ムネ「今年終わるまで声聞けないのも嫌だし…」
ヤノ『そうだな、そうだよな』 ムネ「何してるん?」
ヤノ『親戚集まって、飲み会の準備や、電話来たから抜けとるが』
ムネ「そっか、楽しそう」
ヤノ『疲れるだけやわ』
ムネ「俺も行きたい…けど」
ヤノ『はは、そら…まあ、遠いな』
ムネ「うん」 ヤノ『来年は、一緒に年越しできるんかな』
ムネ「かな、って、過ごしたい、とか言ってくれんとアカンすよ」
ヤノ『そら、過ごしたいけど…』
ヤノ『来年はもっと活躍して忙しくなって欲しいとか…あるやん』
ムネ「…なんか、ごめん、年の瀬なのにこんな…」
ヤノ『寂しいのは俺も一緒やわ、また来年、会おうな』
ムネ「うん」
ヤノ『(ガヤガヤ…)あかん、呼ばれたわ、ごめん、そろそろ』
ムネ「俺もそろそろ打ち合わせっぽい、じゃあ、良いお年を」
ヤノ『うん、良いお年を。ほなな』 まだ打ち合わせまで時間はあるのだが。
わがままを言っても仕方がないし。
ヤノさんとの電話を切り、スマホを置く。
大阪と東京は遠い。
新幹線があっても、スマホ一つで繋がれる時代でも、それは変わらない。
会いたい時に、恋人のヤノさんに会えない。 電話越しに少し聞こえた、楽しそうにヤノさんを呼ぶ声も妬ましかった。
親戚にそんなことを思っても仕方がないのに。
なかなか会えなくて、どうしても心が沈んでしまう。
疲れもあるのかもしれない。
仕事柄、仕方がないこともたくさんあるのは分かってる。 ああ、ヤノさん…会いたい。
自分だけの控室。
人差し指を伸ばし、唇を撫でて、目を閉じ、
最後にヤノさんとしたキスを思い出す。
こんなことをしても、やっぱりどうにもならないけど。
ムネ「ヤノさん…」
一人にしないで。
俺のいない方に行ってしまわないで。 目が潤むのをこらえたくて、目頭を押さえ、そのままにしていると、
先ほど置いた、スマホが鳴った。
ムネ「ヤノさん?」
ヤノ『お、かんにんな、さっき言い忘れてた』
ムネ「何?」
ヤノ『終わったらすぐ連絡してな、あと、こっちの用事終わったらすぐ行くから』
ムネ「うん…ありがと」
ヤノ『頑張ってな、チャンネル取れたら見守っとくで』
ムネ「そんな映らんと思うし、恥ずかしいけど…」
ヤノ『はは、ほな、また来年』
ムネ「うん、また来年」 このくらいでも、心が舞い上がる。
俺を思って、これからのことを話してくれるヤノさん。
さっき強がって打ち合わせなんてバレバレの嘘をついたことを、
分かってるくせに気にする様子も見せずまた話してくれるヤノさん。
やっぱり、好きだなあ。
あと少しすればまた会える。
きっとその先も。
しばらく経ってスタッフが呼びに来て、
さっきより少し口角が上がったまま、俺は控室を出た。
END
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