■プロ野球 DeNA・牧秀悟(24)が3日、3年目のシーズンに向け2年連続で故郷・長野で始動し、今年の目標にWBCとリーグとのダブル優勝を掲げた。

朝10時、牧は中学生時代にともに白球を追った同級生3人と気温4度と、例年は氷点下にもなるこの時期にしては暖かい気候の中、中学時代に鍛えられた長野市・長野若穂リトルシニアの練習場となる綿内小学校グラウンドに足を踏み入れた。「練習する場所もあって、地元のメンバーと一緒にやるのが新しい1年が始るって感じがします」と気持ちを昂らせた。

ランニングにストレッチ、そして同僚の大和に伝授された体幹トレーニングで汗を流し、キャッチボールを終えるとグランドに隣接するビニールハウスに向かった。「この辺は雪が降ったらできないので、監督さんが(ビニールハウスを)作ってくれて野球ができていますね。打ち込んだ記憶しかしかないです。」と50人を越える大勢の地元小中学生が見守る中、熱を帯びたバッティングをおよそ10分間続けた。

そのあとは、グラウンドで自慢の長打力をロングティーで披露。豪快な打球に食い入るように見つめていた子供たちからは「おー」と感嘆の声を上げる。練習を終えると待ち構える地元のファンに1時間以上にボール、ユニフォーム、色紙にペンを走らせ続けた。

「(ここは)原点だと思います。本当にもうキツイ練習を耐え抜いたきたからこそ、プロでもやっていけてると思うくらい良い練習を3年間送れた」と柔和な表情で話すと「ここに戻ってきたら、本当に応援してくれる方が凄く多いですから、後押しされることが多く、また頑張ろうと思える場所です」と3年目のシーズンに向けて地元から大きなパワーを授かった。

昨季チーム最多の135試合出場し全試合で4番に座り、球団初の新人から2年連続の20本塁打以上となる24本塁打、リーグ2位の87打点をマークした。11月の侍ジャパンの強化試合では全試合スタメン出場。栗山ジャパンでのチーム初本塁打を放ち、打順では3番と5番、守備は二塁と一塁に就き来年3月に開幕するWBCでの主力として選出は確実視されている。

初練習からグラウンドを後にすると毎年来ているという善光寺へ初詣。参拝した後に引いたおみくじでは「吉」、書かれていたのは”苦労あれど、あとは良し”それを見て「始まりは苦労するけど後は良いことがついてくる」と前を向き捉え、絵馬には“優勝”という文字を書き込んだ。「去年も目の前でリーグ優勝をされて悔しかったので今年は優勝一つしか狙っていないし、WBC もあるのでそれも込めて“全て優勝したい”という想いを込めてこれにしました」中央大学との同級生との結婚も溌表した牧にとって勝負のシーズンが始まった。