>>242
WARは「代替レベル(≒控え選手レベル)と比べてチームの勝利を何勝分増やしたかを打撃走塁守備投球の各指標を総合して推計した指標」や
決められてるのはこの概要だけ
細かい計算方法は算出者任せになっているので各社で色々な違いがある
その中でも数値に違いをもたらす最大の要因が守備での貢献をどの指標を使って算出するかなんや

UZR:打球の映像を解析して守備力を算出した指標
イメージとしては「この地点にこの強さで飛んだ打球はこれまで30%の確率でアウトになっている。ということはこの打球が飛んだ時点で0.3アウトということ。これをアウトにした岡林はこのプレイで残りの0.7アウトを稼いだと判断できる」って感じ
こういうふうにこれまで同種の打球がアウトになった率に基づいて貢献度が算出されるから難しい打球をアウトにすればたくさん稼げるってわけね
メリットは、打球の難易度に応じてポイントが入るので難しい打球ばかり飛んだ場合と簡単な打球ばかり飛んだ場合とでちゃんとそれに応じた数値になるってこと
デメリットは、まず個人では算出できないし、映像が全て見れる現代の選手についてしか算出することもできないし、映像を解析するシステムがない環境(例えばNPB)やと手作業で飛んだ地点や強さを計測するのでデータ入力者のスキルに大きく依存する

TZR:これはWAR考案者が使ってる守備指標でスコアブックや速報データを使って守備貢献を計算する
イメージとしては「ライト方向の打球はx本で岡林はそのうちy本をアウトにしている。つまり岡林のアウト奪取率はy/x。これはリーグの平均的ライトと比べてこのくらい優れている」という感じ
特徴としてはUZRみたいに打球の難易度は区別しないでアウトになったらどうかだけをみるってことね
メリットは、過去の選手についてもスコアブックがあれば計算できるし、客観的に決まる数値なので誰が計算しても同じ値になるってこと
デメリットは、難しい打球ばかり飛んだりした場合に過小評価されることがあるってこと(ただし長期間のデータを取る場合にはこういう偏りは収束していくので問題なし)
基本的には通算成績を出す場合や過去の選手について計算する場合にはTZRが一番優れているとされている

FS:これは刺殺数と補殺数のデータから算出した指標
イメージとしては「○イニング守って○補殺を奪っていてこれはリーグ平均と比べてこのくらい優れている」という感じ(実際には細かい補正がたくさんある)
メリットは、刺殺と補殺のデータがあれば算出できて(NPBはMLBと違って過去のスコアブックを公開していないので昔のTZRとかを計算できない)、個人でも算出が可能
デメリットは、そもそも打球があんまり飛んでこないと数値が下がるみたいな打球による偏りがあまりにも大きいってこと(これも母数が増えれば収束はするけど収束に必要な母数が大きすぎるので個人成績だとブレまくる)
NPBの昔の選手についてはこれで算出するしかないのでたまに使われてる