DeNAの育成ドラフト1位・上甲凌大捕手(21)=四国IL・愛媛=が7日、神奈川・横須賀市内の球団寮「青星寮」に入寮した。

愛媛県西予市出身。高校は野球の名門、宇和島東高に入学した。しかし、同じ頃に両親が離婚。そこから、母あすかさんが女手一つで支えてくれた。

「本当に始発(電車)で出て、終電で帰るような生活で、僕自身もまともに寝られない日々を過ごしたけど、母は僕を起こす前にお弁当をつくって、何時間寝られているのかという状況だった。本当に苦労をかけてきたので、恩返ししたいです」

感謝の思いを込めて、自分とおそろいのスポーツ用ネックレスを母にプレゼントしてから入寮した。「肩こりとかもあるみたいなので、ちょっとでも改善されればいいなと思った」と手渡すと「ありがとう」と言葉をかけられた。

入寮に際し持参したのは、経済的にも苦しい中で高校時代に母が買ってくれた捕手用ミット。今は使うことはないが、新たな部屋に飾るという。

「苦労して母が最後に買ってくれたグラブ。これが一番強い思い出があるので持ってきました。やっぱりこれを見ると頑張らないといけないと思う。母を楽にさせてあげたいというのが今の自分の一番の思い。それをできるようにやっていきたい」

育成からハマの正妻へ、上甲が母への最大の恩返しを誓った。