死刑どころか無期を逃れる可能性もある

「よっしゃー!」

 3月9日、東京地裁に男の歓声が響いた。声の主は強盗致死罪などに問われ、守下実裁判長から懲役28年が言い渡された須江拓貴被告(24)だ。

今回の裁判には須江被告とともに共犯者の酒井佑太被告(24)、小松園竜飛被告(29)が同時に出廷し、両被告にはいずれも懲役27年が下った。
3人はSNSを通じた「闇バイト」などで集まった「犯罪集団」の一員で、実行犯をたくみに変えながら窃盗や強盗などの罪を重ねてきたため、今回の裁判でも複数の犯罪行為が裁かれることとなったのだ。

2019年2月28日、東京都江東区のマンションの一室に宅配業者を装って侵入し、居合わせた加藤邦子さん(当時80)を拘束。金品を探したが、見つからずに逃走した。
大手紙社会部記者によると、「2月中旬、加藤さんは『お金はありますか』という不審な電話がかかってきたと知人に相談していました」という。手足を緊縛され、口を粘着テープで塞がれた加藤さんはそのまま死亡した。

「アポ電強盗は、強盗に入る家を見定めるために、事前に電話で現金がどのくらい置いてあるかなどを聞き出した上で行われます。
従来の振り込め詐欺に途中で気づく高齢者も増えてきたため、詐欺グループが『騙すことができないなら』と強硬手段に出はじめた。凶悪事件も発生しています。
今回のケースは強盗のさなかに被害者女性が死亡するという残虐なものでした」(同前)

https://bunshun.jp/articles/-/44624?page=1