【なぞなぞ】貝は貝でも、サンタさんを引っ張る貝って、どんな貝?
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A.三年前の春、私は勤めていた会社をリストラされました。次の就職先も見つからず、明日への不安を遠ざけるために飲んでいたアルコールは日に日に量が増えていきました。妻も幼い息子も、私の身体を心配して止めてくれていたのですが、あろうことにその私は、そんな妻や息子に手を上げてまで、酒浸りの生活を続けておりました。そんな私に妻が愛想を尽かして息子を連れて出ていくまでに、それほど時間はかかりませんでした。独りになった私の酒は、不安と孤独から、ますます量が増えました。夏になり、私は酔って暴力事件を起こしてしまったのです。 ご迷惑を掛けてしまった斉藤さんは、ここの区民センターの事務をしておられる方で、警察沙汰にしない代わりに、「一度でいいからこちらに顔を出すように」と紹介されたのが、このグループカウンセリングあすなろ会でございました。本当にお恥ずかしい話ですが、ここに来はじめたばかりの頃の私は、あすなろ会始まって以来の問題児でした。カウンセラーの清水先生に食ってかかるのは日常茶飯事。他の方の断酒報告に茶々を入れることもしばしば。一番守らなくてはいけない「酒に酔った状態であすなろ会に参加しない」というルールを破った回数も、一度や二度では済みません。しかし、どんなに迷惑を掛けても、清水先生とあすなろ会の皆さんは、私のことを受け入れて下さいました。アルコールの力を借りずに、不安やストレスを消化する強さも、悩みに共感してくれる仲間無しでは得られませんでした。 昨年のクリスマス、清水先生のご紹介を受け、近所の児童施設でサンタクロースの役をやらせていただきました。息子と同じぐらいの歳の女の子にプレゼントを渡すと、その子はまっすぐな瞳で「サンタさんありがとう」と言い、私に笑いかけてくれました。その瞬間、「私がもしお酒に逃げていなければ、愛する我が子に直接プレゼントを渡すことができたのに」そんな考えが浮かび、急に涙があふれて止まりませんでした。突然泣き崩れた私を見た子供達が、「サンタさん大丈夫?サンタさん大丈夫?」と心配してくれました。子供達の笑顔に勇気をもらい、年明けに妻と連絡を取りました。断酒が続いていること、再就職できたことを伝えると、妻は息子に会うことを許可してくれました。 先月の末のことでございます。三年ぶりに会った息子は、背が私の胸に届くくらいに大きくなっていました。少し緊張した様子でしたが、前と変わらずに私のことを「パパ、パパ」と呼んでくれ、別れ際には「次、いつ会えるの?」と言ってくれました。何気ない一言ですが、私にとってこの三年間聞いたどの言葉よりも、嬉しい一言でした。それからは毎週、電話やメールで連絡を取るようになりました。今度の土曜は、息子のサッカーチームの応援に行く予定でございます。長い時間がかかりました。酒と引き替えに、失ってしまったものが、一つ一つ戻ってきています。今後もお声を掛けていただいた際には、いつでも自分の体験を話しに来ようと思いますが、完全に断酒できてからちょうど二年になる今日この日を、一つの節目にしようと決意いたしました。清水先生、わたくしは今日、あすなろ会を卒業します。そして、こんな私を引っ張ってくれた、あすなろ会の皆様、ありがとうございました。 ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています