ではなぜ「増えていて、凶悪化している」という誤解が広がるのでしょうか。

一つは、人は誰もが悪いことに敏感に反応するからです。悪いニュースは広まりやすいのに対して、良いことはほとんどニュースに取り上げられません。
また、多くの面で改善していても、悪い事態が一部であれば、専門家も、責任ある行政機関も、「一部で悪化している」ことを指摘して注意喚起をするのが通例です。
ニュースに流されるのではなく、客観的な事実をきちんと知ろうとすることが大事だといえます。

もう一つは、被害が少ない社会になったからこそ、一つ一つの被害が深刻な影響をもたらし、社会的にもより注目されるようになってきたことです。
交通事故を含む不慮の事故で亡くなった30歳未満の方は、平成元年には7,593人でしたが、平成28年には1,262人と大幅に減少しています。