出産の時に赤ちゃんの頭をひっぱる「吸引」分娩で長男を亡くした母親が、大阪市内の産科クリニックを相手に起こした裁判で24日、大阪地裁はクリニックに賠償を命じる判決を言い渡しました。

 高瀬実菜美さん(35)は、2017年に大阪市内の産科クリニックで長男の柊(しゅう)ちゃんを出産しましたが、柊ちゃんは約半日後に死亡しました。

死因は、出産時に頭部を引っ張る「吸引分娩」によってできた「帽状腱膜下血腫」による出血性ショックでした。

判決で大阪地裁は、柊ちゃんに「チアノーゼの症状が出て全身の色が悪くなっていることは、『帽状腱膜下血腫』の合併症が生じていることを疑うのに十分な所見」で、搬送していれば助かっていた可能性が高いと指摘しました。

そのうえで、症状に気づいた助産師が医師に報告をしていなかったとして、クリニック側に5090万円あまりの賠償を命じました。

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