「心配することは何もない。何の制限もないよ」

 エンゼルスのミナシアンGMは、3月に行われるWBCに出場する大谷翔平(28)の起用法に関してこう言っている。

「彼にすべてを任せている。やりたいというなら外野を守ったって、先発や抑えをやったって構わない」とも。

 WBCの主催は、大リーグ機構と大リーグ選手会が立ち上げた「WBCI」だ。メジャーの各球団は開幕直前の重要な時期に行われるからといって、故障などの特別な理由があればともかく、選手の派遣や起用について表立って異を唱えることはしない。というか、むしろ協力的なスタンスをとる必要がある。それだけにミナシアンGMもにこやかな表情で「制限はない」とコメントしたのだろうが、本音は別だった。

「エンゼルスは大谷の起用を制限するつもりです」と、米国のメディア関係者がこう続ける。

「制限したいのは投手としての球数です。最初の試合で投げる球数をかなり少なく抑えたい意向のようで、すでに日本側にも伝えているらしい。具体的には分かりませんけど、仮に先発して四球を連発したり、連打されたりするようなら、初回で終わってしまうかもしれないような球数だと聞きました」

 何しろ大谷の今季年俸は約40億円。シーズン直前、投打の大黒柱にケガでもされようものなら死活問題。特に投手は肩肘への負担が大きいだけに、エースの起用法にはナーバスになっているのだろう。