0001それでも動く名無し
2023/01/25(水) 20:57:12.12ID:rkVZQxdZa時間指定サービスは、基本的に法人向けの配送サービスであった。個人宅向けの宅配サービスにおいて、時間指定配送サービスを無料化したのがヤマト運輸だ。
1997年秋、ヤマト運輸東北支社が個人宅向けの時間指定配送サービスのテスト運用を行った。当時のヤマト運輸担当者は、「翌日配達は他社も追随している。これに代わるものが欲しかった」と答えている (注)。
注)日経ビジネス(1999年7月26日号)
そしてヤマト運輸は1998年3月から、東京、関東、南東北エリアを対象に宅急便の時間指定お届けサービスを無料で開始。1999年、担当者は「料金を取るならば他社でもできる」と強気の発言をしている。
1998年、ヤマト運輸の宅急便取扱個数は約7億8000万個であり、宅配便2位の日本通運(当時は日本通運もペリカン便という宅配便サービスを展開していた)の約2.1倍、約38%のシェアを握っていた。
もちろん、無料化の理由としてシェア拡大は大きかっただろう。一方で「時間指定の加算料金として100円取ると、利用率は40%減る」という。これは当時ヤマト運輸のセールスドライバーが、個人3000人、法人1500社に対して行ったヒアリングの結果だそうだ (注)。
注)週刊ダイヤモンド(1998年10月31日号)
ヤマト運輸は法人向けの時間指定配送において、当時300円~1,800円の加算料金を得ていた。しかしそのヤマト運輸をしてでも、宅配(個人向け)における時間指定サービスの有料化には不安があったのだろう。結果、佐川急便などの競合他社も宅配の時間指定配送サービスを無料化したのはご存じのとおりである。