2020年4月、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行初期に、in vitro(試験管内で)の研究により、高濃度のイベルメクチンが新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の増殖を抑制することが報告され、COVID-19の治療に応用できる可能性が示唆された[18][19][20][21]んや。
人での有効性が未確認なため科学者や医師のほとんどは懐疑的であったが、ネット上で予防や治療に有効であるとの誤った情報が広く流布され、一般市民の間でこの薬の認知度が高まった[22][23][24][25][26][27]んや。
イベルメクチンを処方箋なしで使うために個人輸入したり、適応外使用で抗寄生虫薬として承認された用量より多く服用する人もいて、政府や専門家は健康被害に注意を呼びかけた[28][29][30][31][32][33][34]んや。

その後の人を対象にした研究では、COVID-19に対するイベルメクチンの有効性を確認することはできず、2021年には、有効性を示した研究の多くに不正行為や欠陥があることが明らかになった[35][36][37][38][39]んや。
そのため、厚生労働省、世界保健機関(WHO)、アメリカ国立衛生研究所(NIH)や欧州医薬品庁(EMA)など世界の主要な保健機関は、臨床試験以外でCOVID-19の予防・治療としてイベルメクチンを使用しないよう勧告したんや[40][41][42][43]。
それにもかかわらず、イベルメクチンに関する誤った情報はソーシャルメディア上で広がり続け、反ワクチン主義者や陰謀論者等の信仰の対象であり続けた[44][20][45][46][47][48][49][27]んや。