「コートなどの着用は認めない」――。列島を強い寒波が襲う中、一部の学校の校則で生徒の防寒着に制限を設けていることが、毎日新聞の情報公開請求で判明した。「ブラック校則」と呼ばれる学校での理不尽なルールは各地で社会問題化している。なぜ、防寒着はだめなのか。学校側に尋ねると、意外な答えが返ってきた。

 鹿児島市教委に2022年度の市立高校の校則を情報公開請求したところ、こう記されていた。「オーバー・ジャンバーコート等の着用は認めない。ただし、生徒指導部の異装許可がある場合はこの限りではない」。許可なく防寒着を着用することが、禁止されているのだ。

 情報公開請求で明らかになった鹿児島市立高の校則を調べると、防寒着の着用に男女差を設けている学校もあった。「男子のコート類の着用は認めない。ただし、遠距離通学や病気の場合は、学級担任を経て学校の許可を得ることができる」「女子のコートは、本校指定のもののみ可とする」。女子はコート着用を認めるが、男子は原則不可とする内容だ。

 なぜ、校則でコートなどの着用を制限するのか。高校に取材すると、教頭は「昔からある校則なので、目的は分からない」と話した。