【速報】多摩地域の多数の住民から欧米の安全基準値超え有害化学物質が検出

東京都多摩地域の多数の住民の血液から、欧米の安全基準値をはるかに超えるレベルの有害な化学物質が検出されたと住民団体が30日発表した。

この化学物質はPFAS(ピーファス)と呼ばれる有機フッ素化合物の一群で、がんや免疫力低下、胎児の発育障害など様々な病気との関連性が疑われている。このため、国際条約で製造や取引を禁止する動きが進んでいるほか、欧米政府も独自の規制強化を急いでいる。日本は欧米に比べて対策が大幅に遅れており、住民の健康への影響が懸念される。

多摩地域の多くの住民が飲み水として利用している地下水が、広範囲にわたって高濃度のPFASに汚染されていることは、最近の環境省や東京都などの調査で明らかになっているが、住民への影響を調べるための行政による本格検査は行われていない。

住民側は汚染の実態解明のための大規模な血液検査の実施や原因究明を都などに要望してきた。しかし、聞き入れられなかったため、昨年、「多摩地域の有機フッ素化合物汚染の実態を明らかにする会」を設立し、専門家や医療機関の協力を仰ぎながら自主血液検査に乗り出していた。

同会は最終的に約600人の住民の血液検査を実施し、結果を公表する予定だが、30日は第一弾として、昨年11月から12月にかけて実施した国分寺市などの住民合わせて87人分の結果を公表した。分析は京都大学医学研究科の原田浩二准教授が行った。
https://news.yahoo.co.jp/byline/inosehijiri/20230130-00335008