――複数の企業が制作費の出資を行う製作委員会方式を取らず、MAPPAが100%自社で制作費を出資をすることに踏み切ったのはなぜですか?

我々としては、「『チェンソーマン』をよりよい形で映像化したい」という考えが念頭にありました。その上でどういう座組がいいかを話し合ったところ、弊社で100%出資する方が、ビジネス的な自由度も表現的な自由度もクリアできるのではないかと考えたんです。

「製作委員会方式が自由ではない」ということではありません。理解のあるチームの下で進めている作品も多くあります。ただ、我々の目的は最もよい形で映像化することであり、視聴者が最も楽しんでもらえる形で『チェンソーマン』をお届けすること。その目的を達成するには、複数の首脳陣が集まって、いろんな思想が入り混じってコンテンツをつくるよりも、集英社さんと弊社のみで面白いものを作るということだけを追求する方がいいだろうと思ったんです。