北陸新幹線は来春、金沢から福井県の敦賀まで延伸される。

「敦賀からは福井県の若狭地方を通り京都へとつながるルートが予定されています(若狭ルート)。大阪までの全線開業は2046年ですが、大阪や北陸の財界は30年の前倒し開業を求めている。建設費は2兆700億円と試算されています」(国交省担当記者)

 ところが、ここへ来て今年から予定されていた敦賀以西の延伸工事が見送りとなってしまった。若狭ルートは京都のトンネル区間が長く、残土の処理問題など京都側から反対の声が上がっているのだ。

 このままでは新幹線が京都の手前で終わってしまうかもしれない。そこで代替案として浮上しているのが、「米原ルート」だ。地図を見れば分かるように、敦賀から滋賀県の米原を回れば東海道新幹線に接続できる。

「新幹線の建設は年間1千億円出すのが精一杯です。しかも、時間がかかるほど費用も高くなる。すでに総額2兆700億円では難しくなっており、今では4兆円以上ともいわれています。すると、40年かかる。若狭ルートについては、私たちもいったんは了承しましたが、もはや現実的ではありません。一方で、米原ルートなら工事区間は50キロで平坦地。建設費だって1兆円もあればできる。」