中日・立浪和義監督(53)が3日、WBC日本代表に選出されている高橋宏斗投手(20)の“由伸流”新フォームに苦言を呈した。沖縄・北谷で、春季キャンプ2度目のブルペン投球を見届け「やっぱり彼(オリックス・山本)の良いところと、高橋の良いところがある。全部が全部、一緒にしようとすると、おかしくなるんでそういう話はしました」と明かした。

【写真】高橋宏斗の剛速球に「速い…」ともん絶

 昨季6勝を挙げた高橋宏は、昨年12月から2か月間、オリックス・山本と合同自主トレを行ってきた。キャンプ中も朝5時には起床し、早朝からジャベリックスロー(やり投げの動作につながる動きで羽根付きの投てき物を投げる)などを入念に行う、まさに“師匠”と同じ動作を導入。左足をほとんど上げないクイックのような投球フォームも、うり二つとなっていたが、これもより高みを目指す向上心の表れだった。

 この日は北谷のブルペンで約40球を投げ込んだが、投球中に立浪監督と深刻な表情で話し込む場面もあり、投球フォームの変更を促されたもよう。高橋宏は練習後に予定されていた取材に応じることなく、失意のまま宿舎へ帰った。

 「ちょっと自主トレを山本投手と行って、帰ってから明らかにフォームが変わっているんでね」と立浪監督は指摘した。史上最年少の20歳でWBCメンバーに選ばれた高橋宏は昨年以上に早期調整に迫られており、今からの大幅なフォーム変更は致命的なロスになりかねない。キャンプイン前日の1月31日には「いつでも投げられる準備はできている」と順調な仕上がりを口にしていたが、“突貫工事”の行方は侍ジャパンの戦いにも影響を及ぼしそうだ。