文部科学省は2025年度から、最短2年で小中学校などの教員免許を取得できる教職課程を4年制大学に新設する方針を固めた。従来短大の教職課程で得られる「2種免許」を特例的に4年制大学にも拡大するもので、留学などを経験した多様な人材を教員として確保する狙いがある。

 現状の教職課程では、4年制大卒で1種免許を、短大卒で2種免許を取得できる。1種免許では幼稚園から高校まで、2種免許では幼稚園から中学校まで、それぞれ教えることができる。1種免許の取得には51~59単位の修得が必要なのに対し、2種免許は31~37単位で済むが、どちらの免許でも小中学校で担当できる教科や業務は変わらない。

 これまで4年制大学では、教育学部以外の学生が教職に関心を持っていても、留学や他の資格の勉強などとの両立が難しいことを理由に、教員免許取得を断念するケースが多々あったという。文科省は、2種免許の教職課程を大学に導入することで学生の負担を軽減し、福祉や心理などの専門分野の勉強や語学力の習得と、教員免許の取得をともに目指せる態勢を整えたい考えだ。

 文科省は25年度の新設に向け、来年度に課程認定基準などを改正したうえで、希望する大学から申請を受け付ける方針だ。

 教員確保を巡っては、近年は全国的に教員志願者の減少傾向が続いていることから、高い教育の質の維持が喫緊の課題となっている。22年度の公立小学校教員の採用試験の倍率は2・5倍で、過去最低を記録しており、教員のなり手不足は深刻化している。

 こうした状況を受け、文科省の中央教育審議会は昨年12月、2種免許の取得を念頭に置いた教職課程の開設を4年制大学にも認めるよう答申していた。
https://news.yahoo.co.jp/articles/f57bef81fd695649499e0615f2cf1a2bad91d95d
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