まだ空は薄暗い午前7時、巨人が練習を行う木の花ドームに入ると、ティー打撃をするバットの音が響く。これだけの人数が早朝からバットを振っている光景は迫力がある。だが、すぐに個々のスイングに目が止まる。いくつかの留意点が出てきた。

 回数をこなすことに集中する力ないスイング。間合いが空きすぎる選手。練習量の確保を主眼とした試みと理解している。それを踏まえた上で、同じバットを振るにも、意識の持ちようで中身は大きく変わってくると、指摘したい。

 主力と若手を混ぜた3人1組のチーム制で、チームごとにスイング数を競う遊びの部分がある。必然的に若手はスイングを稼ぐことに夢中になる。導入部分はどんな形でもかまわない。アイデアを出し、実行しながらのトライ&エラーに感じた。

 個人名を出して申し訳ないが秋広優人のスイングは、数をこなすだけに見えた。同チームの先輩たちに迷惑をかけまいと、回数だけに特化しているようだった。