50年間続いてきたカトリック教会「性的児童虐待」の深い闇

報告書は、ここ半世紀の間に性的虐待に関与したとされる1万人以上の被害者と4千人以上の司祭について調べた結果である。それをごく大雑把に数字で見ると、こんな具合である。


・被害者の8割は男子。
・被害者の年齢は、10歳以下が2割、11?14歳が5割、15?17歳が3割。
・虐待は50年間続いているが、1970年代に起きた件数がもっとも多い。
・報告の件数は、2002年から2003年の間に出されたものが全体の3分の1を占める。
・報告は、4分の1が事件から10年以内になされ、半数が10年から30年後、残りの4分の1が30年以上経ってからなされている。
・加害者は、6割が1回だけ、それ以外が2回以上の嫌疑を受けている。
・加害者の年齢は、初回の報告時点で半数が35歳以下。
・加害者自身が過去に何らかの虐待の被害者だった例は7%以下。
・加害者の2割はアルコールか薬物の乱用者だが、事件が起きたときに使用していたのは1割。
・嫌疑を受けた加害者のうち、警察に被害届けが提出されたのは4人に1人。あとはすでに死去しているなどの理由で取り調べもされなかった。
・取り調べを受けた千人ほどのうち、384人が起訴され、100人が収監された。