https://news.yahoo.co.jp/byline/satoutomoko/20210213-00222377


秋辺 アイヌ協会って、昔はウタリ協会といったんだけれども、そこから出る刊行物とか。解放同盟経由でアイヌの話が出てきたりとか。
―― それは自分で取り寄せて?
秋辺 いや、活動家という人がいっぱいいて、人民解放戦線みたいな、アイヌ解放同盟とかもいて、そういう人たちが書いたものを持ってくるんだよね。昔、こんな事件があった、こんな意地悪があった、差別があったと、全部情報をくれるわけよ。そんなのばっかりを読んでいると、だんだんだんだん人間が偏っていって、差別を語らなきゃアイヌは語れないみたいな、俺は変なアイヌになっていったんだよね。
―― ちょっと戦う感じだったんですか。
秋辺 うん。それと、差別するほうが加害者、アイヌは被害者。被害者はふんぞり返って偉そうに「おまえ、加害者だろう」と言っていい。偉そうな気分になるわけよ。それから、アドレナリンがそういう時って出るんだろうと思うんだよ。それに酔っちゃっていたのね。
―― こんなことされた、つらかったんだという話じゃなくて。
秋辺 「つらかったから今跳ね返しているぞ、俺は」みたいな。すごく不健全な。