阪神期待の4年目右腕が投じた初球のストレートに、スタンドからどよめきが起こった。1球目は球場表示で151キロを計測。シート打撃初登板の西純は佐藤輝にこそ一発を浴びたが、迫力満点の投球でインパクトを残した。

　「全体的には自分のやりたいことや、投げたいボールも投げられた。いいシート打撃になったと思います」

　先頭の木浪をこの日最速154キロで一ゴロに打ち取ると、続く同学年の井上に対してはカウント2―2から高めの153キロ直球で空振り三振に仕留めた。「高めで空振りを取るのは、自分みたいな投手は大事。甘くいってもファウルになったりとかして、押せている」。打者6人に対して30球を投じて150キロ超えは13回も数えた。力強い直球だけでなく、ツーシームやカットボールといった新球種にも手応えを示した。

　視察した巨人の樽見チーム戦略室主任も「先発の中で一番力強い球をブルペンで投げている。（ローテの）軸になって、10勝あたり目指しても全然おかしくない」とうなった。「まだまだ完成ではない」と前を向く21歳に、飛躍の予感が漂う。

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