日本球界の事情に精通するMLB球団の一部スカウティング担当も全面協力する中、米国サイドは侍ジャパンの選手だけでなく「ヒデキ・クリヤマ」の分析にもすでに着手。その中でとりわけ注目を集めているのが、MLB関係者や米メディアの間で「ソウル・マン(魂の男)」とも評されている栗山監督の選手思いの姿勢だ。

 実際、NPBを見続けているア・リーグ球団スカウトの一人は「栗山監督はファイターズで10年間も指揮を執り続けていたが、その大きなプラス要素として挙げられるのが唯一無二の人間性だ。例えば敗戦後は事あるごとに『俺が悪い』を筆頭として『勝たせてあげられず申しわけない』や『選手を生かせなかった自分が悪い』『一番ダメなのは俺』などと選手を責めずに自分を悪者にするコメントを貫き、チームを一致団結させていた。つまり勝てば〝選手たちのおかげ〟で負ければ〝監督の責任〟というスタンス。これは選手を信頼し切る熱い気持ちがなければ、簡単にできることではない。いい意味でMLBにもNPBにもいないレアなタイプの監督」と述べている。

 その上で「そういう栗山監督だからこそ、侍ジャパンの最強メンバーたちを巧みにまとめ上げ、WBCでも選手を乗せていくことができるのではないか。米国チームもわれわれMLBも注視している」とも補足した。

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