東京・新宿、歌舞伎町の路上にスマートフォンを手に立ち続ける女性たちがいる。辺りが暗くなった頃、どこからか来て公園の周りに立ち、自分の体を買う客を待つ。歌舞伎町2丁目にある新宿区立大久保公園の周りに集うのは、「立ちんぼ」と呼ばれる売春女性たちだ。

路上に立ち始めて3年になるユズ(仮名、27歳)は「ユーチューバーとか警察とか増えて本当に嫌だけど、金ないんだもん」と言う。客の相場は「別1」。相手が支払うホテル代とは別に1万円を意味する。

23歳だった19年12月、キャリーケース一つで北海道から上京した。ツイッターで知り合ったホストを頼り、歌舞伎町に立つようになった。「イケメンと飲むのが好き」で、ホストクラブに行くのが楽しくて仕方なかった。そのために体を売った。

だが、1年ほど前からそんな生活に不安を覚えるようになった。ネットカフェ暮らしにも疲れた。支援団体の相談所に出入りし「今のままずっといようとは思わない。自分の家に住みたい」と口にした。
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