阪神・岡田彰布監督(65)の本番さながらの采配に、北谷のスタンドがドッと沸いた。7点を追う七回無死一、二塁の好機に原口を打席へ。チーム屈指の勝負強さを誇る男は左腕・砂田から鮮やかな左翼線適時二塁打。指揮官の期待に快音で応えた。

 「本番同様の雰囲気もありましたし、点を取られた後、つないでつないでの打席だったので、そこで1本打てたのは良かったです」

 さらに八回二死満塁では右投手の森に対して、左の巧打者・糸原をコール。惜しくも遊ゴロに倒れたが、23年岡田野球の一端が垣間見えたシーンだった。

 試合後、岡田監督は「代打の右、左は原口、糸原でシーズンいかなあかんと思ってるからな」と2人を代打の切り札に指名。今キャンプで原口は一塁、糸原は三塁を守ってきたが、指揮官は「一塁・大山、三塁・佐藤輝」をシーズンを通して固定する方針。「チームとして自分の役割というかな、そういうポジションでいくということ。今年に関しては」と初めて明言した。

 プロ14年目の原口は代打経験も豊富で、昨季終盤は5番を張ったほどの実力者。糸原もプロ6年間で4度規定打席に到達するなど実績は十分だ。2人がベンチに控えることで、選手層もより厚みを増す。

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