>>729
世界史的には主流の歴史観ですけどね



タタールのくびき

これまで多くの歴史家が、モンゴルによるルーシ支配が、ロシア史を特徴づける「西洋と東洋の狭間」という性格が形作られる要因になったと指摘してきた。
200年以上におよぶモンゴルの支配は、ロシアに東洋的な要素を注入することとなり、西ヨーロッパでは「ロシア人の皮をはぐと、タルタル人が出てくる」という俚諺があるほどである。
また、モンゴル支配の影響でルーシはヨーロッパの伝統から離れてしまい、その後の西ヨーロッパで起こった大きな政治的・社会的・経済的な諸改革や科学の発展から取り残されたという意識が生まれた。
そこにあるのは、「遅れた国ロシア」「後進国ロシア」の元凶になったというマイナス評価と結びついた見方である。
言い換えれば、西洋からの隔絶によって、ロシアはルネサンスや宗教改革から何ら影響を受けず、さらにその後の中産階級の形成にも失敗したのは「タタールのくびき」のせいだと考えられてきた。