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男衾三郎絵詞

家よく作りては、何かはせん。庭草引くな、俄事のあらん時、乗飼にせんずるぞ。馬庭の末に生首絶やすな、切り懸けよ。
(家を継いだからには心がけねばならない。戦時に馬の餌にするのだから庭草はボーボーにしとけ。調練場の端には生首を常に絶やすな、人殺しも忘れるな)
此の門外通らん乞食・修行者めらは、益ある物ぞ、蟇目鏑にて、駆け立て/\追物射にせよ。
(門前を横切る乞食や僧侶、修験者はとても有益なものだ、すばしっこく逃げるため弓の標的として活用せや)
若者共、政澄、武勇の家に生まれたれば、其の道を嗜むべし。
(武士と生まれたからには殺しまくれ)