パートタイム勤務が爆発的に増えている。

 米労働省によると、パートタイムで働く米国人の数は12月と1月の2カ月間で120万人増加した。その大半にあたる85万7000人は自らの意思でパートタイムを選んでおり、フルタイムの職が見つからないことや労働時間を短縮されたことが理由ではない。

 米国で自発的にパートタイム勤務する人の総数は1月時点で約2210万人。パートタイム勤務ではあるが可能ならフルタイム勤務を望む人(約410万人)の約6倍に達する。この割合は過去20年間で最も高い。新型コロナウイルス流行が始まった直後、米国人が大量に職を失い、フルタイムの仕事を見つけられなかったり、労働時間が短縮されたりしていた頃は、両者の数字がほぼ並び、コロナ前の20年間は3対1から5対1の割合で推移していた。

 1月に雇用されていた米国人1億6000万人のうち16.3%がパートタイム勤務だった。米労働省はパートタイムを週35時間未満の労働と定義している。
パートタイム労働者の増加は、米国経済の変化
と歴史的にひっ迫した雇用市場を反映している、とエコノミストや雇用主、労働者らは話す。コロナ禍によって一部の労働者が燃え尽き症候群に陥り、多くの人が自分のキャリアを再考するようになった。その中でパートタイムの仕事に切り替える動きが生じている。

 一方、インフレが高進し、食料や住宅など必需品の価格が上昇する中で、引退者や労働市場から離脱した人々も、家計所得を補うためにパートタイムで働き始めている。

 また介護や健康問題、学業といった以前からある理由でパートタイムを選ぶ人も依然として数百万人はいる。