「日本でうまくいっていたときは何も考えず、ただ努力して、結果が出て。その波に乗って日本代表に選ばれて、海外にも行けた。ブンデスでも最初はうまく入れたんですけど、やっていくうちにフィジカルやスピードの差を感じるようになって。それでもっとトレーニングして強くならないと、という思いがあって、筋トレを人一倍やるようになったんです。ただ、今思えばやりすぎてしまった」

ドイツの屈強なディフェンダーに対抗するため、武藤は鋼の肉体を手に入れようとした。もともと日本にいるときから筋トレに励み、国内では当たり負けしない肉体を持っていた武藤だが、それ以上の武器を求めた。相手の得意分野で上回らないと、ヨーロッパでは生き抜いていけないと考えたのだ。